ハリネズミは暑過ぎると夏眠、寒すぎると冬眠してしまいます。夏眠・冬眠は体の負担になり、最悪命の危険にかかわります。しっかり対策をしておきましょう。

ハリネズミの温度・湿度

温度:24〜29℃

湿度:なるべく40%を超えない

暑さ対策

  1. 飼育施設を窓のそば、直射日光があたる場所に置かない。熱中症のリスクが高いです。
  2. エアコンで温度管理するのが一番良い。その際、送風が直接飼育施設にあたらないようにする
  3. 水槽や衣装ケースで飼育している場合、風通しのいいケージに引っ越しする。
  4. 水をこまめに取り替える。夏場はすぐに悪くなるのと、水切れ予防になります。
  5. フードが傷みやすい時期なので、食べ残したものはすぐ取り除く
  6. 高温・多湿で不衛生になりがち。掃除はこまめに行う。
  7. 特に暑い時間帯は保冷剤や水を入れて凍らせたペットボトルをケージの中に入れる。
  8. 扇風機やサーキュレーターで風通しを良くする。
  9. ペット用のひんやりマットや大理石を寝床の下に敷く。(温度自体を下げる効果はないことに注意)

暑さが原因で夏眠もありますが、暑さと蒸れで皮膚疾患にかかったり、熱中症や脱水症状の原因にもなりますので、しっかりと対策してください。

寒さ対策

  1. 小動物用の保温電球を使う。一般的ケージサイズの場合100Wの保温器具であれば、十分に冬は越せます。
  2. 保温器具は温度の上がりすぎを防ぐためにサーモスタットを使用する。
  3. エアコンやオイルヒーターを使う。
  4. エアコンを使用しても、温かい空気は上昇するので、上に向けた扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる。
  5. 寝床の下にペットヒーターを置く時は低温やけどに注意する。
  6. 小屋を暖かいフリース生地の小屋に変える。
  7. 寝床の中にフリースの布を入れる。糸のほつれは事故の原因になるので注意。
  8. 保温性の高い水槽または衣装ケースに引っ越す。

夏眠・冬眠したら?

夏眠の症状

ケージ内の温度が30度を越え、ぐったりしていたら夏眠又は体温調節機能が働かず、熱中症にかかっている恐れがあります。
熱中症にかかると、呼吸がはやい、体温が高い、よだれが多いといった症状がみられ、重度になるとけいれん起こし、死亡することもあります。

夏眠の体処方

ゆっくり体温を下げる作業に直ちに取り掛かってください。同時に、動物病院を受診する準備をしてください。
ハリネズミを涼しい場所に移し、冷たい濡れタオルをビニール袋に入れたもので体を包み、冷やします。体温は下がり始めると急速に下降し、下がりすぎてしまう事があるので、過度に冷やさないようにしましょう。
ハリネズミが元気を取り戻しても、念のため診察を受けておきましょう。

冬眠の症状

冬場、ケージ内が20度を下回る室温で、動きがにぶく体が冷たくなってたら、冬眠をしています。丸まった状態のまま動きません。呼吸が少ない場合もあります。

冬眠の対処法

ゆっくり体温を上げる作業に直ちに取り掛かってください。
体温が穏やかに上昇するよう、ペットヒーターの上にフリースや床材を置き、ハリネズミの体を暖めましょう。体温が測定できるなら、1時間に1〜2℃上げるように加温するのが一般的です。
この場合ドライヤーの様な急激に温度が上がる方法は絶対にしてはいけません。
ゆっくり温め、体が少しずつ動き出したらスポイトやシリンジで、ブドウ糖を5%程度になるようにに水に溶いて少しずつ飲ませます。

温度が18℃を下回ると免疫力が低下、特に呼吸器感染症のリスクが高くなることが知られています。冬眠から回復後も免疫低下によって二次的な感染のリスクが上がります。できるだけ早めに動物病院で診察してもらいましょう。

そもそも冬眠・夏眠とは

ハリネズミの冬眠は、気温の変化に従って代謝と体温を落とし、エネルギーや水分を節約して冬をやり過ごすことです。体温は周囲の気温に合わせて低下し、数日から数週間の休眠状態になることです。近縁種のケープハリネズミ(Atelerix frontalis)では、冬眠中でも暖かい日は活動する間欠的冬眠であることが知られており、ヨツユビハリネズミも同じようなタイプの冬眠だと推定されます。また、別の近縁種ナミハリネズミ(Erinaceus europaeus)はヨーロッパに生息しペットのハリネズミよりも冬に強いハリネズミです。この種でいうと、冬眠中は心拍数が90%低下、呼吸数も1/3に低下し、冬眠によって体重が最大35%減少することもあるとのことです。また、野生のハリネズミの80%が越冬できずに死亡している可能性があるとのことです。日本と同等程度の気候に生息するナミハリネズミですから冬眠な過酷なことが伺えます。

夏眠に関しては、冬眠とは違い周囲の温度が高いため体温は低下しません。暑さに対して水分を節約する目的と、餌の枯渇に備えるためのものと考えられます。飼育下ではさらに暑さが増した際の,熱中症に陥ることが多いと思います。

野生下ではどちらも季節の変化を感じ、餌を食べためるなど十分に準備をして生活しています。飼育下での冬眠や夏眠は本来のものではなく、休止状態や仮死状態と言うべきものです。

参考文献