飼育施設・グッズ
安全性
ケージを選ぶなら、金網部分は塗装しておらず錆びないもの、ステンレス製がベストです。亜鉛メッキで塗装されている場合、金網をかじったりして体内に取り込まれると亜鉛中毒を起こす可能性があります。よく調べてから購入しましょう。
水槽・衣装ケース。プラスチックケースは使用する前に、よく水洗い又は水ぶきをしてください。加工途中で工場内のカスや埃がついてアレルギーを誘発する恐れがあります。
適したサイズ
最低でもハリネズミの体長の2倍×4倍の床面積がいると言われてますから、最低でも奥行30cm幅60cmは必要です。広い分にはどれだけ広くてもかまいません。
飼育施設の種類
メリット | デメリット | 対策 | |
---|---|---|---|
ケージ | 風通しが良く、涼しい。脱走しづらい。 | 冬場の保温が難しい 底の金網に足を引っ掛ける。 |
ペットヒーター・保温電球を使う・カバーをかける。 冬場は保温性のある水槽か衣装ケースに変える。 底の網は取り外して使う。 |
ガラス水槽 | 保温性がある 衣装ケースと比べて観察しやすい。フタがないため脱走されやすい |
重く、管理しにくい。 上からしかハリネズミにアプローチできないため、慣れていないと驚かすことになる。 風邪通しが悪く、熱や湿気がこもりやすく不衛生になりがち。 |
ガラス以外の材質のものを使う。 声をかけるなどして慣らす。 夏場はケージタイプに引っ越す。 |
衣装ケース | 安価で手に入る 軽いので取扱いやすい |
風邪通しが悪く、熱や湿気がこもりやすく不衛生になりがち。 半透明で観察しにくい。 ペットヒーターで溶ける恐れがある。 |
掃除まめに行う。 安価なので買い変えをする。 ヒーター利用時は耐熱温度に気をつける。 |
個人的に一番おすすめなのは、ケージです。サイズはハムスター用のものよりウサギ用の方が寝床や回し車を入れても狭くならないので良いです。冬は寒いのがデメリットですが、専用カバーをつけたり、ケージの周りを保温性の発砲スチロールやアルミシートで囲うことでカバーできます。
床材の種類
メリット | デメリット | |
---|---|---|
牧草 (チモシー) |
安価で手に入る | 歩きづらい・吸収性が悪い・ダニがわきやすい |
ウッドチップ | 香りが良い | アレルギーを発症する恐れがある。吸収性が悪い。 |
猫用トイレ砂 | 安価で手に入る 消臭効果が高い |
尿をして固まるタイプだと製品によってはオスの生殖器に砂が付き炎症する恐れがある。ヒノキタイプのものはアレルギーを誘発する恐れがある。 |
ペットシーツ | 吸収性・消臭効果が高い | 爪をひっかけやすい。 ペットシーツの下に潜ったり破いたりしてあまり床材の意味がない。 シーツ内部の吸収体を食べようとする場合がある。 |
新聞紙 | 安価で手に入る ちぎったり、敷いたりできる |
消臭効果がなく臭いがきつい。 インクがハリネズミにつく。 |
コーンリター | 消臭効果が高い。トウモロコシ100%なのでハリネズミが食べても安全。 |
オススメなのがコーンリターです。
トウモロコシの穂軸を粉砕した100%天然素材の敷き床です。安全性も高く、吸収性に優れ、ホコリもでにくく、夏の暑い時期や冬の暖房での蒸れ等の床敷としておすすめです。
そして、気をつけて頂きたいのがヒノキの猫砂です。
ハリネズミは針葉樹にアレルギーがあり、広葉樹にはないと言われています。また、針葉樹の中でも杉や松に出やすくヒノキには出にくいようです。しかし、体に接する面積が大きく、口からカスを吸い込み易い床材の場合、広葉樹でもアレルギー反応が出る場合があります。
顔の周りにアレルギー症状が出たハリネズミ。
アレルギーについて詳しくはアレルギーの症状をご覧ください。
その他グッズ
寝床
ハリネズミは物陰を選んで巣にしてますので、安心して眠れる場所、隠れて休息できる場所が必要です。体を伸ばしても寝られる程度のサイズのものを置いて下さい。
遊び
ハリネズミは夜中エサを探し周る運動量の多い動物です。飼育下では運動不足になりがちなので、ケージ内に回し車を入れると良いでしょう。大きさは30センチ程度のものが良いです。
また、全てのハリネズミが回し車をするわけではありません。中には気に入らずやらない子もいます。そういった子には、ケージを広くして運動させるか、室内を歩かせて運動不足を解消させてください。
また、本能を満足させることも重要です。
本能 | 遊び方法 |
---|---|
獲物を探してあちこち探検する | 飼育施設内に虫を放して探させる |
穴を掘る | 砂遊びをさせる |
狭い所に潜り込む | 小動物用のトンネルやトイレットペーパーの芯等を入れる |
飼育施設の置き場所
住まいが用意できたら、ハリネズミが快適に過ごせる場所に置きましょう。設置場所に関するチェックポイントを挙げます。
騒がしくない場所
生活音は仕方ないですが、テレビやステレオなど大きな音が出るものの近くには置かないようのしましょう。
ハリネズミは聴覚が優れているので、大変音に敏感です。大きな音はハリネズミにとって大変ストレスなので、避けましょう。
振動がない場所
大きな道路に面した建物などでは、出来るだけ振動が伝わらない場所に置いて下さい。
また、大きな音でドアを閉めたり、飼育施設の側をバタバタ歩いたりしないようにしてください。
振動や物音にストレスを感じ、警戒するようになる可能性があります。
他の動物と接触しない場所
犬や猫、フェレットなどの肉食動物と接触しなようにしてください。
ハリネズミにとって外敵です。もし飼われているようでしたら、脱走を絶対させないでください。
お互いに無用なストレスや怪我を避けましょう。
また、犬・猫等他の動物を触ったら共通感染を防ぐためにも一度手を洗ってから、ハリネズミを触るようにしましょう。
直射日光が当たらない場所
直射日光が当たる場所は避けましょう。
特に夏場の水槽や衣装ケースの中は風通しが悪く、温度が上がり、熱中症・夏眠を引き起こす可能性があります。
ただし、一切採光がないのはいけません。
温度差が激しくない場所
ハリネズミは暑すぎるのも寒すぎるのも苦手なので、温度差が激しい場所は避けてください。
特に窓際は昼間は温度が上がりすぎで、夜は冷え込むこともあるので、置かないほうが良いです。
温度を一定に保つにはサーモスタットを使うことをお勧めいたします。
温度差が激しい場合、人間でも体調を崩しますが、これはハリネズミにも言えることです。なるべく、温度を一定に保ち快適に過ごさせてあげてください。
昼と夜がある場所
昼間は明るく、夜は暗くなる場所に置きましょう。ハリネズミは夜行性で薄暗い所を好みますが、ずっと暗いのがいいわけではありません。
ハリネズミにも昼夜で明るさの差が必要です。窓のない部屋の場合は部屋の電気か照明器具を使って、1日12時間明るい時間帯を作ります。
埃っぽく湿気が多い場所
ハリネズミの代表的な病気にダニ症があります。埃と湿気はダニの原因となります。よく掃除し、風通しの良い場所に置いて下さい。
特に梅雨の時期は、湿度が高いためダニ・カビが発生しやすくなります。こまめに床材を変えてください。
においがしない場所
化学薬品など刺激的なにおいがしない場所に置いてください。ハリネズミの嗅覚は大変優れているので、においに敏感です。
また、キッチンや食卓テーブルの近くも避けた方が良いでしょう。香り付きの消臭剤や蚊取り線香などにも敏感に反応します。
女性の方ですと、香水等を毎日変えてつけると匂いが変わるためハリネズミが混乱します。なるべく毎日同じ匂いにしてください。
落ち着ける場所
落ち着いて過ごせる場所に置きましょう。部屋の中央部のようにいつも四方八方から人の気配がするような場所ではなく、壁に沿って置くのが良いでしょう。