ハリネズミの販売店

ハリネズミの販売店

最近、ハリネズミを販売しているペットショップが多く見られますが、間違った飼育方法で飼われ、適切な環境で育っていない子が多く見受けられます。ペットショップ等で購入する場合は、下記の健康チェックポイントを参考にし、健康で比較的人に慣れているハリネズミを選びましょう。

迎える時期

他の飼育書では、春と秋のお迎えを推奨していますが、夏と冬のお迎えでも大差ございません。
春と秋は日中と夜間の温度差があるため、温度管理が難しい場合もあります。逆に冬と夏は温度差があまりないので温度管理はしやすいです。
どの季節に迎えるのが最適かというより、しっかり飼育環境を整え適切なショップで購入するのが一番です。

また、ハリネズミはストレスに弱く環境の変化に敏感ですから、飼い始めは体調を崩しやすくなります。
エアコンで温度管理出来る場合は、確実に温度を保つことができるので、真夏、真冬に飼い始めても問題ありません。ただし、移動中の温度には気をつけましょう。
車の場合は車内のエアコン、電車や徒歩の場合はクーラーボックスとカイロまたは保冷剤が基本でが、必ず販売者の指示に従ってください。
ハリネズミの健康状態をじっくり観察できるように、必要な飼育グッズを全て準備できてからにしましょう。

ブリーダー直販

ブリーダー購入のススメ

一番オススメなのが、ブリーダー直販です。もちろん国産に限ります。特に自家繁殖で飼育しているブリーダーのハリネズミは小さいころから人と接しているので、人に慣れやすいです。
ペットショップのように不特定多数の人の行き来や、他の動物の匂いが一切ないような、ハリネズミにとってストレスのない飼育環境で育てられているかどうかは重要です。
また、離乳までしっかりと母乳を飲んで育っていること、成長期を母親・兄妹と一緒に育っていること、親の性質・遺伝性疾患の可能性・毛色がわかることなど、自家繁殖させているブリーダー直販でしか得られないメリットです。
ブリーダーの名前がはっきりしていると安心できます。ブリーダーによっては販売するハリネズミの栄養状態だけでなく、毛並みや針のツヤにまでこだわっている所もあります。

海外の大量繁殖場ではどのように扱われているのか全く分かりません。もし親が近親であれば、遺伝的な問題で健康面での問題が起こりやすいです。
当然、商業的なことを突き詰めれば、エサや飼育環境にかかるコストを限界まで少なくすることになります。要するにエサをケチり、赤ちゃんハリネズミの離乳時期を早くして、母ハリネズミにどんどん妊娠、出産させているということです。
これからハリネズミを買おうとする人のほとんどは、ハリネズミの毛並みや針のツヤどころか、健康状態すら判別がつかないと思います。信頼出来る販売者を探すことの重要性をお分かり頂けましたでしょうか?

加えて、飼育に関して分からないことがあれば、いつでも問い合わせできるような販売者を選ぶことが必要です。
ブリーダーによって飼い方が異なってきます。そのため、販売元でないとその個体に最適な飼い方を教えられない場合があります。
販売元以外に問い合わせても、一般的なことしか教えることができず、販売した個体に合った飼い方や扱い方が分からないことが多いです。

よいブリーダー 悪いブリーダー

逆に、購入するハリネズミの親や、離乳までの飼育の様子を教えてくれない販売者はよいブリーダーではありません。
こういった不透明なブリーダーでの購入は、何のメリットもありません。海外の大量繁殖場と何ら変わりません。ペットショップで輸入のハリネズミを買うのと大差ありません。

当サイトに寄せられた報告によると、「希少な国産ブリードもの!」というフレコミで、他店の2倍の価格でペットショップで販売していたそうです。ブリーダーの名前の記載はありませんでした。
報告者が買ってみると、そのハリネズミは生後2ヶ月で体重100gほど、飼って2ヶ月で死亡という、最悪の健康状態だった。という報告でした。
エサをケチっているというよりも何らかの病気だったのでは?と思いました。

もちろん、ペットショップやネット通販で買った方でも、こういった事はよくあります。

ブリーダーといってもピンからキリまでありますので、単にブリーダー、国産ブリード個体として売られていても、よいハリネズミだとは限りません。
よいブリーダーで買えば、より人慣れし、より健康なハリネズミとより長く一緒に居られます。上記の報告のように、そういったブリーダーというブランド力を悪用している業者もいるということは同くハリネズミに携わる者として非常に残念です。
信頼できる販売者かどうかよく検討し、実際にハリネズミを見て購入することが大事です。
飼育を始めるとハリネズミとは長い付き合いになります。よい販売者を探すことや、飼い方の知識を勉強する手間を惜しんで、後々後悔することがないようにしましょう。

ペットショップ

最近、ぺットショップでのハリネズミの販売が増えています。しかし、スタッフの知識不足で間違った飼育方法で展示されているのを多く見ます。きちんと、下記のチェックポイントを確認して、良質なペットショップを選びましょう。

また、外国からハリネズミを大量に輸入している販売者での購入は控えた方が良いと思います。移動ストレス・離乳時期の早いハリネズミの可能性があるので、必ずしも健康なハリネズミを購入できるとは限りません。

チェックポイント

  1. 一つの飼育施設で過密飼育されていないか
  2. オスメス別れて飼育されているか
  3. スタッフの知識はあるか
  4. 飼育施設は清潔か
  5. 適切な飼育施設で飼われているか

1.一つの飼育施設で過密飼育されていないか

多頭で入っている場合、喧嘩し怪我をしてたり、病気やダニなどの寄生虫の蔓延の恐れがあります。購入後、店頭では気づかなかった怪我や病気が見つかるという事例が多々あります。

2.オスメス別れて飼育されているか

オスとメス両方が入れられている場合、実はメスが妊娠していて、購入後出産するという話も多々あります。
(メスの性成熟:生後約2カ月~ オスの性成熟:生後約6カ月~ )と言われていますが、早熟な場合も当然あります。生後2ヶ月を過ぎるとオスメスを分ける必要があります。

3.スタッフの知識はあるか

ハリネズミはペットとしての歴史は浅いので、知識豊富な方は少ないのが現状です。オスとメスの性別が判断できず、オスを飼ったつもりがメスだった場合もあります。
いくつかハリネズミについて質問し、知識があるかどうか確認しましょう。当サイトや飼育書などで完璧な知識を身につけた上で、自分よりも店員が詳しいかどうか確かめるぐらいが理想です。

また、規模の大きなペットショップでは、担当者が変わったりアルバイト店員が対応する場合があります。
そうなると、いくら買った時に対応した店員の知識が豊富でも、飼っているうちに分からないことがあっても、問い合わせることができません。そういったリスクも大事なチェックポイントです。

4.飼育施設は清潔か

飼育施設が汚い場合、まず間違いなくといってもいいほど、ダニ・ノミがハリネズミに付いてます。さらに極端に汚い場合は、皮膚炎や病気の恐れがあります。きちんと確認しましょう。

5.適切な飼育施設で飼われているか。

ハリネズミは夜行性で、日中は薄暗い所を好みますので、隠れ家となるような小屋又はシェルターが必要になります。
ただでさえ不特定多数の人通りや、他の動物の気配でストレスを受けている上に、きちんとした隠れ家がないとハリネズミのストレスは計り知れません。
日中寝ているときも熟睡できずストレスをため込んでいるため、人間に慣れなかったり、体力が低下している恐れがあります。
また、こういった状況にあるハリネズミは、お客さんが触っても怒らず、手に乗せられることがあります。
これは人に慣れているのではなく、飼育施設よりも知らない人の手の上の方が”まし”だからという場合や、警戒する元気もないほど弱っているという場合もあります。
こういった場合は、お迎えして安心できる環境に移って、健康になった途端、人間を警戒してしまい、触らせてもらえなくこともあります。慣れているかどうかよりも健康状態をチェックしなければいけません。
当然、適切な飼育方法で飼っていないペットショップでは、きちんとしたハリネズミの飼い方を教えてもらうことは期待できません。

ペットショップでの購入はリスクが多いです。ペットショップでは様々な人が出入りし、外敵でもある犬や猫などもいます。
神経質なハリネズミにとってストレスの塊のような環境です。それゆえ、そこで長期間飼育されているハリネズミはそのストレスから大変神経質な子になり人に懐きにくい傾向があります。
ペットショップで買うにしても、出来るだけ上記条件を満たす良質なペットショップで購入することをオススメします。

ネット通販

地方ではショップでハリネズミを扱っている所は少ないため、最近ネット通販を利用して、購入される方が増えています。
逆にいうと、東京、名古屋、大阪にアクセスできる場合、探せば必ず販売している所はあります。(私見ですが、左の三都市を巡ったところ、最も大阪でハリネズミが盛んなようです。)
ネット通販では直接、生体を確認することができないため、きちんとハリネズミの状態を把握できません。そのため、業者の良心や運しか頼るものがありません。
メールや電話で生体の状況や、現在の飼育環境などを可能な限り細かく聞き、適切な返答をする販売者を探し、信頼できるかどうかしっかりチェックしましょう。

仮にネット通販を利用する場合は、荷物を受け取ってダンボールを開けた時、ハリネズミが死んでいる可能性があることを覚悟しておいてください。ネット通販は利便性の代わりにそのリスクがあります。

購入する場合は真夏・真冬といった極端な時期は避けましょう。販売者は発送の際に保温の対策をするはずですが、それでも真夏や真冬は危険です。
販売者の地域と購入者の地域の両方で、最低気温が20度以上、最高気温が30度未満の季節であれば、温度変化によるリスクは少ないです。
ただし、配送中のトラック内の温度や、荷物の扱いによる衝撃、運転中の揺れなど、ハリネズミのダメージとなる原因はいくらでもあります。ちなみに、ハリネズミは車酔いしますので、嘔吐することが多いです。

当然、ハリネズミにとってはひどいストレスとなるので、振動や物音、人の気配がトラウマとなって慣れないハリネズミになってしまうこともあります。
配送業者は時間との戦いですので、ダンボールにいくら「取扱注意」や「ワレモノ注意」「生き物入ってます」などといくら書いたところで、ハリネズミが驚かないほど慎重に扱うことはできません。
(「天地無用」と「上積厳禁」は守ってくれますので、ひっくり返されたり、押しつぶされたりすることはないはずです。)

また、到着した時に弱っていた場合や、死亡していた場合の保証の確認が必要です。
死亡していた場合の保証を死着保証といい、返金、代わりの生体を送る、といった保証内容が多いです。弱っているだけでは何の保証もないことが多いです。
死着することがないように細心の注意を払って温度対策、梱包をしている販売者であれば、死着保証は完全無料であるのが道理だと思います。
死着保証が有料オプションである場合はどうしても不安があります。有料オプションの死着保証を付けた購入者の分だけ、きちんと(ケチらず)保温材や梱包しているのでは?という疑念を抱く人もいるでしょう。

もちろん、どれだけ完璧な保温や梱包をしても、運ぶものが生き物である以上何が起こるか分かりませんから、死着という最悪の状態の覚悟は忘れてはいけません。

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