人工保育の方法

人工保育の方法

母親ハリネズミが育児放棄・死亡した場合、なんとか赤ちゃんの命を救ってあげたいものです。誕生の近い赤ちゃんを育ているなら、その母親の尿のにおいをつけたうえで、寝床のなかにいれてみましょう。運が良ければ、一緒に育ててくれるかもしれません。そして、もう一つの方法が人工保育です。成功率は決して高くありませんが、可能であればできるだけのことはやってみてください。

ここで注意してもらいたいのは、人工保育は産まれてからが1日でも多く経っている、または初乳を長く飲んでいるのが成功の条件になります。初乳を全く飲んでいない個体の人工保育はほぼ100%不可能に近いです。

人口授乳の方法

ペットミルク(犬猫用)又はゴートミルク(アレルギーが少なく栄養価が高いのでこちらの方が好ましい)を最初は薄めに、徐々に規定の濃度で溶いて、生後3週までは2~4時間ごとに飲ませます。最初のうちは短い間隔で、日数が経つにつれて間隔を開けていきます。必ず、人肌程度に温めたものをあげましょう。シリンジ・スポイトなどを使い、飲みたがる量を与えます。お腹に前回のミルクが残っているようなら(幼い時期透けてみえます)、一度に与え過ぎか、環境温度が低すぎます。飲ませる時は体が垂直になるように保持し、*誤嚥(ごえん)させないように少量ずつ飲ませましょう。

 

*誤嚥とは、食べ物や異物を気管内に飲み込んでしまうこと。また異物を消化管内に飲み込んでしまうこと。

環境

プラケースにフリースなどを厚く敷いた寝床で休ませて下さい。最初の2~3週は32~35度ほどにしましょう。ペットヒーターはプラケースの外側に置きましょう。子供の体を直接暖めるのではなく、寝床を暖かくすることによって間接的に暖める方法をとってください。また、乾燥状態は体毛の生え揃っていない赤ちゃんには脱水の原因になりますので加湿を心がけてあげましょう。方法としては、濡れた布を片隅に置くなどあります。

食事

4週頃から徐々に大人と同じ食べ物を与えます。ドライフードは必ずふやかし(ゴートミルクでふやかすと良い)、ミルワームは脱皮したばかりの柔らかいものを与えてください。

排泄

幼いうちは自力で排泄ができません。ミルクを与えたあと、ぬるま湯にひたしたコットン又は綿棒などで肛門・尿道部分を優しくマッサージし、排泄を促してください。

体重

毎日体重を測り記録をつけましょう。1週目は1・2グラム、2週目は3・4グラム、3~4週目は4・5グラム、60日頃までは7~9グラムずつ増えていきます。また、離乳を開始するとわずかに体重の減少がみられます。

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