
ハリネズミは単独飼育で広めのケージを使用している限り、他の生き物よりも比較的、掃除の手間は少なくてすみます。掃除の手間が少ないからといって、手抜きをするのではなく、こまめに掃除してあげることで清潔な環境で飼育してあげたいものです。
ハリネズミ飼育の基本の掃除方法
- 掃除の時間は、ハリネズミの睡眠を妨げない夕方~夜がベストです。飼育を始めたばかりのハリネズミなら餌やりとは時間をずらした方がいいです。飼育してから期間が経っているハリネズミなら、餌やりの直前でも良いです。
- 毎日、尿や糞で汚れた床材だけを取り除きます。
- 1~2週間を目安に床材を交換しましょう。その際においのついた床材を少し残しておきましょう。推奨より狭いケージの場合はもっと頻繁に床材を交換します。
- 床材交換のついでに、汚れ具合に応じて、飼育施設やグッズを丸洗いします。陶器や金属のエサ入れは洗いやすいのでおすすめです。給水ボトルは、洗浄ブラシで隅々までこすり洗いしてください。
- 特に汚れやすい回し車は毎日チェックして汚れを見つけたらその都度掃除しましょう。
- 洗剤が残らないように、しっかりと水でそそぎましょう。
- 洗ったものはよく乾してから使いましょう。特に木製製のものはしっかり天日干しをしてからしようしましょう。
- 飼育施設とグッズは別のタイミングで洗いましょう。一度に全て洗うと自分のにおいがなくなり、混乱します。
掃除にかかる手間(時間)の目安
筆者のハリネズミを購入したお客様に聞いたところの1匹飼育での掃除の時間の目安です。
毎日の掃除は汚れた部分を取り除くだけなので数分で終わります。回し車が毎日汚れるハリネズミだとしても回し車を洗うのは10分程度です。
1〜2週間おきの床材交換では15分程度。ケージや飼育器具の丸洗いがあればさらに20分程度です。
慣れないうちはさらに時間がかかるかもしれません。
回し車の清掃
ハリネズミは回し車で排泄する傾向があります。こまめに掃除するのが基本です。ペットシーツなどを張る、などをして汚れにくくする工夫をする人もいます。
フンが付いたままで、回し車をすると乾いたフンに爪を引っ掛け怪我をする可能性があります。特に爪が伸びているとリスクが高いので爪切りもしっかりしておく必要があります。(爪切りの方法も合わせてご覧ください)
また、回し車をした後は足が汚れているので、嫌がらなければ定期的に足湯させましょう。足に糞尿がついたまま放っておくと、かぶれるなどして皮膚の病気に発展する恐れがあります。
ダニ症や真菌症(カビ)の治療中の場合
ダニやカビをなるべく取り除くために、ケージや飼育器具の消毒を動物病院で指示されるかもしれません。どのような方法で消毒した方がいいのか、そもそも消毒した方が治療効果が高いのかといった直接的で確かな研究による科学的根拠はありません。消毒をしなくて治癒した例をたくさん知っています。
筆者の意見としては、消毒しないよりは、できるならした方がいいと思います。しかし、飼い主の負担になってハリネズミとの暮らしが苦痛になるのは本末転倒です。どうしても無理なら消毒せず通常の清掃を少し念入りにする程度でも良いと考えます。無理のない範囲の消毒が現実的です。
ダニやカビ対策の消毒方法
煮沸や熱湯を利用する方法と、塩素系漂白剤を利用する方法があります。器具によってやりやすさがあるので使い分けても良いです。
- 煮沸消毒:よく洗ったケージや回し車に熱湯をかけてから拭き取り、天日干しなどで乾燥する。餌皿は鍋などで煮て煮沸消毒する(プラスチック製の場合はできません)。
- 塩素系漂白剤:目にみえる汚れを落とす程度に洗った後、ハイターなどの塩素系漂白剤入りの洗剤を加えた水に漬けるか、満たす。最低1時間程度おいてからよく洗って乾燥する。
(ポイント)
熱湯は量が少ないと殺菌・殺虫効果が不十分な可能性がりますが、大量にかけすぎると、プラスチックのケージだと変形、アクリルケージだと急激に劣化するリスクが高まります。
漂白剤を使用する場合、木のパーツがあるケージだと木材に染み込み、洗剤成分や塩素が残留するリスクがあります。中性洗剤成分がない塩素系漂白剤を使用し、晴れた日にまる一日かけて天日干しして乾燥すると良いでしょう。
乾燥中は衣装ケースなどを使用して一時的に飼育すると良いです。その衣装ケースも使用後は消毒します。
基本では床材交換で少し古い床材を残すのですが、ダニやカビの際は床材を全部を捨てて交換する方が良いです。
飼育部屋もよく掃除機をかけるなどして清潔にします。絨毯などは仕方ないですが、取り除くことができるラグやマットなどは撤去するか、なるべく頻繁に洗濯やクリーニングをします。
掃除機のゴミや交換した廃床材は、掃除するたびにゴミ袋に入れて固く縛り、なるべく早く家の外に出します。