噛み癖について

噛み癖について

ハリネズミの噛み癖について飼い主様からの相談が多いです。
ハリネズミは本来臆病で攻撃的な動物ではなく、噛み付くことは少ないのですが、飼い方に問題がなくても、噛み癖がついてしまって噛みついてくることがあります。
噛み癖の原因や噛み付く時のハリネズミの気持ちなど、色々と幅広く知っておくことで、適切に対処しましょう。

食べ物と間違えている

食べ物と間違えて噛みつく場合があります。

エサやおやつ、虫エサなどを手で持って、ハリネズミに与えていると起こります。
この時、ハリネズミは手=食べ物として学習してしまっています。
特に活きエサは逃げられる前に一気に食べてしまおうとするので、反射的に噛み付きます。

また、手にエサなどの匂いがついていると噛みつかれる恐れがあります。エサをふやかす作業で匂いがついたりします。
ないしは、飼い主が食べた食品の匂いに反応することもあります。

対策

必ず、エサやおやつ、虫エサなどは手渡しではなく、ピンセット(専用ものが便利)で与えます。
エサをふやかす作業などは、手にエサが付かないように注意する。エサをふやかす作業後や、ハリネズミを触る前は手を洗うようにしましょう。

不安や恐怖

ハリネズミが不安や恐怖を感じ、追い詰められてしまっている場合、身を守ろうとして防衛的に噛みつく可能性があります。この場合、飼い方や飼育環境に問題があることが多いです。
また、強く威嚇して嫌がっているにもかかわらず、無理に触ろうとすると噛みつく恐れがあります。慣れていないのが原因です。
飼い主の手にあまり威嚇をしないほど慣れている子が、急に一変してこの状態(噛み癖+強い威嚇)になった場合、体調を崩して弱っている(下記)か、妊娠による防衛(下記)である可能性が考えられます。

対策

なにが不安なのかを考え、不安要素を排除したり飼育方法や飼育環境の見直しをしてください。
(参照:ハリネズミが落ち着ける飼育施設の場所
慣れていない子の場合は、積極的に触ろうとしたり無理に手を出すのをやめ、慎重に慣らしていってください。
(参照:慣らし方

ストレス

不安や恐怖という程のものではなくても、狭すぎる飼育施設、運動不足、不適当な飼育環境、接し方がストレスとなり、攻撃的になって噛みつくことがあります。
触っても怒らなかっリ慣れているにも関わらず、噛み癖がある場合によく見られます。

対策

運動不足が原因であるなら、回し車やトンネルなど遊具の設置、飼育施設の改善が必要です。
(参照:飼育施設・グッズ

ハリネズミの気持ちになって、ストレスにの原因を考え、飼い方、接し方の改善策を考えましょう。
触らしてくれる子でも、触りすぎるのはストレスです。他に思い当たる噛み癖の原因がない場合は、コミュニケーションの時間を短くしてみて、様子を見るのも対処策です。

病気や外傷などによる痛み、苦痛がある

病気や外傷で体が弱ってしまうと、自分を守るための防衛本能が強くなることがあります。ハリネズミは弱っているところを外敵に襲われたらダメだと思い、警戒心を強めている状態です。
エサを食べる量が減るなど食欲の減退や、出血、軟便、緑色の便など病気の症状が伴う場合が多いです。

対策

外傷がないか、病気の症状がないかをよくチェックします。また、ダニ症による衰弱であれば頻繁に体を掻いている場合が多いです。
(参照:ハリネズミに多い病気
警戒するほどの体力すらなくなれば致命的です。食欲の減退に加え、病気の症状や外傷が見られたら直ちに動物病院へ行ってください。
ただ、単純にエサを食べなくなった場合はただの偏食の場合もよくあります。
よく調べて正しい判断をしてください。判断に不安がある場合は必ず動物病院に行ってください。

妊娠・子育て中

妊娠中や子育て中のメスは非常に気性が荒くなり、攻撃的になります。

対策

妊娠について思い当たる可能性があれば、妊娠している傾向が他にないかよく観察してください。
購入してすぐの場合は購入元で交尾・妊娠した可能性もあります。購入前にオス・メスを同居させていたかよく確認しておくべきです。
ベビー個体であっても、早熟な子もいるので、あり得ないとは断定できません。
(参照:妊娠の有無の判断

妊娠した場合は、どんなに慣れているハリネズミでも、気性が荒くなって触らせてもらえなかったり、ひどい場合は人間が近づくだけで怒って威嚇します。
不用意な妊娠はハリネズミにとっても飼い主にとっても良くありません。計画的な繁殖が必要です。

万が一、噛みつかれた時は?

ハリネズミの歯は鋭いですが、顎の力が弱いため、仮に噛み付かれても大きな怪我をすることはないでしょう。あま噛み程度ならば痛くないこともあります。
もしも強く噛みつかれて、すぐに離してもらえない時は、手を引くとかえって驚き更に強く噛んできます。
離すのをやめるまで待つか、逆に口の奥に押し込むと良いでしょう。
噛まれた後は、すぐに患部を水で洗い流し、消毒してください。

決して叩いたり、乱暴なことはしないでください。
噛むのはやめるかもしれませんが、今まで築いた信頼関係も失ってしまします。
また、噛まれた時になだめようとして好物をあげるのはやめましょう。
噛むこと=好物をもらえると関連付けて、噛み癖がついてしまいます。

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